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タローとの再会

 昨日はPちこさんを病院に連れて行き、横浜で所用を済ませたあと、平塚まででかけた。なぜかといえば「タロー」が会いに来てくれたから。
 タローといってもいろいろいるけどあの「タロー」ではなくて、この子はしあわせな片ひげネコのタロー。
 公立美術館では初めて開催されるという長谷川潾二郎(りんじろう)お父さんの回顧展で、はるばる仙台からやってきたのです。
『平明・静謐・孤高-長谷川潾二郎(はせがわりんじろう)展』平塚市美術館

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 今回の展覧会は

初期から晩年の作品を網羅し、そのきわめて独創的な絵画世界を検証します。近年、雑誌、テレビ等で幻の画家として繰り返し取り上げられ、再評価の機運が高まる長谷川潾二郎の全貌をご紹介する展覧会です。


ということで、普段タローがいる宮城県立美術館の洲之内コレクション作品だけでなく、潾二郎さんが生まれ育った函館時代やパリ留学時代~晩年まで暮らした東京の風景画や、洲之内徹さんが最初に購入したバラなど花々の画から静物画まで年代を追って多数の作品が集められているという大変充実したものでした。特に静物画は同じような素材を描いていても年代によって緻密な作風の違いが比べられるのがよかったですね。潾二郎さんの画というとどうしても「猫」に目がいってしまうけれど、今回目にした静物画はどれも整然とした透明感があって、だけど決して無機質な印象は感じさせない質感が素晴らしく、そのコーナーにたたずんでひたっているだけで時間を忘れることができました。
 また、ご兄弟に物書きさんが多かった影響もあるのかもしれないけれど、潾二郎さんご本人も探偵小説家として執筆活動をされてたことがあるというのは初めて知ったし、作品のところどころ挟み込まれて飾られている制作日誌やエッセイ本の抜粋からして、まとまったエッセイ集など読んでみたいと思いました。書籍は結構廃刊になっていたりして、あってもめちゃ高いのでこれを機にお手軽な値段で復刊されたり新刊が出ることを期待します。

 とはいってもやっぱりタロー。タローの画のことは以前にも何度か書いたことがあるけれど(これ とか これ)、タローの顔をを見てると、世の中のつらいこと、やましいことなんかとはまったく無縁の、純粋で穏やかな「ほんとうのさいわい」のようなものだけしか感じられないのだよね。タローのことを初めて知った「美の巨人たち」で紹介された「世界でいちばん幸せなネコ」という言葉があまりにもぴったりなんだもの。
 今回の展示では潾二郎お父さんが書いてくれた履歴書with手形付きの現物も見られるし、図録にはエッセイ「タローの思い出」のおそらく全文が掲載されているのがなによりもうれしいです。
 週末、これからだと5/22と6/5には学芸員さんのレクチャーが行われるとのことですが、連休前には岩手県立美術館の館長さんがみえてお話をなさったそうなので、県立美術館にもいつの日かタローがやってくることがあるのかもしれません(PS.昨夜見た日曜美術館のナレーションによれば館長さんは洲之内徹さんのご子息なのだとか。そのうち盛岡でもコレクションの展示をしてくれるかしら??)

 今回の展覧会は全国巡回になるのだそうで平塚のあとには下関市立美術館で7月1日~8月15日、北海道立函館美術館で8月28日~10月17日、そして 10月23日~12月23日には宮城県立美術館で開催されるということで、もしかしたら年内にもう一度に会いに行けるかもしれない。うれしいな。じゃあそのときまで、
「またね、タロー」

 平塚市美術館はJR平塚の駅からほぼまーっすぐ歩いて15分ぐらい。高いドーム型天井の室内が素敵です。
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 また併設のレストラン、「ラ パレット」もオーガニック野菜をふんだんに使ったメニューが非常にすばらしく、もちろんお味もおいしい~。おいしいレストランや・カフェが併設されている美術館にはずれなし!

※追記※
展覧会の図録は、図録というより画集・文筆集になっており、書店でも購入できます。
今日(2010/05/30)の朝日の書評に掲載されていたこの本です

長谷川潾二郎画文集 静かな奇譚
長谷川潾二郎画文集 静かな奇譚

※このblog中の長谷川潾二郎「猫」関係のエントリー※
「猫」にあう
しあわせなニャンコの絵
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