FC2ブログ

さよなら、ちゃいろ

a963e796.jpg

 今日から4月。自分のことは先日も書いたとおりでさておき、昨日は1日電車に乗ることもなく近所や下北まで歩いてみたら街の景色が結構変わってることに気がつきました。というか自分がよく出かけていた店5軒ぐらいがなくなっていてショックだったり。おいしい定食屋さんとか韓国料理の店や焼き肉屋さんとか、って食べ物ばっかりだけどどこも長く続いてたお店だっただけに残念。

 さて、ごく近所でも昨日は小さなさよならがありました。ここ8~9ヶ月住む人もなく、ネコさんたちだけが留守宅を守っていたうちの前のおばあちゃんちに朝から業者が大勢来て、家の中の家財道具その他一切を運び出してトラックに積んでいました。やっぱりおばあちゃんはもう二度とここの家に帰ってくることはないんだな、と。本当は去年荷物を片付けに来ていた人がいた時点でもしや、とは思ったけれど、うちの大家さんに聞いてみたら町内会報にも訃報は載ってないと話していたから、もしかしたら体調がよくなれば帰ってくるのかもとほんの少しだけ期待していたんだけど。やっぱりあとに残されるのはネコさんで、しろさんが住んでた家をなくした時のことを思いだして、かなりいたたまれない気持ちになってしまったのでした。

 でも夕方、買い物を済まして戻ってきたらガランとしたおばあちゃんちのほうからくぐもったネコの声が。なんだろうとのぞいてみたら、いつもネコさんたちにごはんをあげに来ていた年輩の女性(Aさんとしておきます)が「ちゃいろ」をキャリーボックスに入れて連れ出そうとしているところでした。ちゃいろはおばあちゃん家で1匹だけちゃんと飼われていた子で、彼女の入院以来外に出されて暮らしてきたネコです。おもわずその方に話しかけていろいろ伺ったところ、おばあちゃんの入院後から知り合いの方々と交代でちゃいろはじめ集まるネコさんたちのごはんから具合が悪そうな時には病院に連れて行ったりと面倒をみてきたけれど、3月いっぱいで庭への出入りもできなくなると聞いたから、せめて家ネコだったちゃいろだけでも自分の家に連れて帰って面倒みてあげようと思って、とのこと。

 この辺も以前にはネコたちがたくさん住んでいて、ネコ好きのおばあちゃんやかつて隣にあった定食屋さんの奥さんとかごはんをあげたり掃除をしたり、ちゃんと世話されていたネコさんたちはどのこも飼い猫みたいにころころ太って人なつっこくて、通勤帰りのおじさんやOLなんかもネコたちを構ってるほのぼのした風景がよく見られたものでした。だけどそんな住人さんたちがいろんな事情でひとり去りふたり去って古い建物も壊されて、残ったのはネコたちだけになっちゃった。するとネコエサを放置したりしていく人が何人も出てきて近所からはクレームも出るし、だから公園に接するおばあちゃんちのちいさな庭は本当に最後の砦のような場所だったんだよね。
 おばあちゃんの家がこの後どうなるのかわからないけれど、そこが取り壊されて新しい家が建とうと、駐車場になろうと、もしかして公園が拡張されようと、たぶんネコたちがのんびりしていたあの風景はもう帰ってくることはないと思います。

 というわけで、ちゃいろにとっても今日から新しい生活が始まるわけですが、おばあちゃんにはもう会えないけれどきっとAさんだったらここ何ヶ月も寂しい思いをした分取り返せるぐらいたくさんかわいがってくれると思うのでしあわせに暮らしてほしいです。心からそう願ってやみません。

 そうそう、ついでに分かったことが。住んでいた空き家が解体されてから完全にわたしの部屋に同居するようになるまで、しろさんもしばらくおばあちゃんのところでごはんをもらっていたんですが、Aさんもしろさんのことを憶えていました。おばあちゃんちでごはんを食べた後、うちのアパートの入り口の植え込みで1日中座ってるしろさんをみて、誰かを待っているんだなと思っていたそうです。でもその頃、マタタビらしきものを持ってネコに近づいてはさらっていく怪しい人物がこの界隈をうろうろしていたんだそうで(ビックリ)、ある日いつものように植え込みに座っていたしろさんにも手をかけそうになったんだそう。で、その日エサの差し入れにおばあちゃんちを訪ねていたAさんがあわてて出ていったところ、そいつは逃げたんだそうです。しろさん危機一髪。
 そんなわけでそのうち姿が見えなくなったしろさんを、もしやその人物に連れていかれたのじゃないかと心配していたのだとか。なんだか申し訳なくなりました。ゴメンナサイ。しろさんは今も元気にしていますよ、と伝えたらAさん本当に、本当に喜んでくれました。で、しろさんはそのころ「スミレちゃん」とAさんたちに呼ばれていたんだそうです。
 なので、しろさんの本名は今日から「しろり・スミレさん」です。
関連記事

0コメント

コメント投稿