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2012.10.29 (Mon)

狂熱のCELEBRATION DAY、(と おまけ)

 10月17日から世界一斉に限定上映の始まったレッド・ツェッペリン2007年の再結成ライヴを完全収録した『セレブレーション・デイ(祭典の日/奇跡のライヴ)』を鑑賞しました。
 O2アリーナのこけら落としだったと記憶しているこのライヴ開催の当時、自分はどんなことをここに書いていたかというと、こんなふうなエントリーになっております。特に思い入れたっぷりに書いているわけでもなく、むしろこの年の11月には『永遠の詩/狂熱のライヴ』完全版が発売になっていて、そっちでキャピキャピ騒いでいた記憶の方が大きいかも。このO2アリーナ直後に速攻出回ったライヴ映像のDVDは盛岡に戻ったときRock Pub Zeppelinさんで部分的に見たことはあったけど、まともにフルで鑑賞したことはなかった。

というわけで、ほとんど初見に近かったO2アリーナライヴ。

 当時のブログエントリーにもあるとおり、この時のライヴは至る方面で絶賛されていたし、翌年ペイジさんが北京オリンピックの閉会式に登場したのもあって、再結成ツェッペリンのワールドツアーのウワサはしょっちゅう話題になっていたものだった。でもそれが本決まりになりかけていたものの結局立ち消えになったのは、2007と2008年にプラントさんがグラミー賞を獲ってようやく脱ツェッペリンに成功したから、なんていうウワサも耳にしたことがあった。だけど、あれから5年を経て公式リリースされたこのライヴ映像をみたら、ツアーに出なかったのもすっかり納得してしまった。
なにより、出来が究極的によい。
 まず選曲に無理がない。演奏されたセットリストの各々は、「ライヴで演るのはこれが初めて」とプラントさんがおどけてた「For Your Life」をのぞいて、あとの15曲は過去のライヴ映像にも残っているなじみ深いレパートリーではあるけれど、無理のない音域だったり極端なアレンジをしなくてよいような、結果渋いところをついている選曲になっていると思う。
 演奏にしてもよくやり玉にあがるペイジさんのギターパフォーマンスもどこまでもらしくそつがなく、何年もの空白を全く感じさせないいつもどおりに安定したジョンジーのベースと、なによりジェイソンとあわせた3人のコンビネーションが絶妙。約6週間ほどあったらしいライヴ本番までの準備期間、おそらく相当な練習は積んだんじゃなかろうか。亡きオヤジ殿と完ぺき同じテクを持っているわけではないけれど、『狂熱のライヴ』の映画の中でちっちゃなドラムセットを生意気そうに叩いていたジェイソンだってもう40代半ば。ライヴ当時で41ぐらいだから、それまでの再結成の場よりも自信を持って偉大なおじさんたちとのステージに臨めたであろうことはあのプレイを見れば容易に想像できる。
 それから、プラントさんの声。これがステージが進むにつれどんどん暖まってきて、特に「The Song Remains The Same」以降後半は圧巻。正直、本編見る前にはまた音声録り直したり、いろんな処理してあるのかもしれないねなんて話もしていたのだけれど、なんの! 映画公開前の記者会見ではオーバーダビングしてる曲もあるなどとペイジさんが明かしていたけれど、とはいっても基本そんなにいじられていないことは、まだYouTubeにかろうじて残っている当日のブート・ステージ映像をみれば明らか。
(前回エントリーの中にNMEがライヴ映像をまとめたリンクを張ってあるんですが、ほとんどの映像がすでに削除されているんだけど観客が2階席あたりから撮影した「Kashmir」がフルで残っておりまして、これ、本当に今回の本編と比べれば別角度音的にはいかにも隠し撮り?って感じなのだけど、出来はほとんど遜色ないです。ブートDVDをお持ちでない本編をご覧になった方は比べて聴いてみるといいですよ)

 たとえばストーンズの『シャイン・ア・ライト』を観たときには未だ現役で転がり続けるストーンズって最強だと思ったし、ミック・ジャガーが年齢をものとも感じさせない、驚異的なロックスターなのは本当に賞賛に値すると思ってる。ミックに比べちゃったらツェッペリンの面々は、この時点でまだ還暦前のはずのプラントさんにしても、一番若い(くまさんみたいな…)ジェイソンですら悪いけどさほど若さを感じないのも事実。
 でも、ある意味年齢に抗っていないそれなりまんまの姿を見せて、この時点の持てるものをおそらく全部出し切っているのが傍目にも明らかなステージだからこそ、より感動的だしかっこいい。音も、どこかでみた記憶のあるペイジさんやプラントさんのアクションもものすごく絵になっている。やっぱりツェッペリンってライヴバンドだったんだよなって改めて思えるのだ。本人たちもその手応えをしっかり感じつつプレイを心から楽しんでる様が本編すべてに、余すところなく映し出されている。
 それまで公に行った再結成のパフォーマンスの度に、苦い思いをしてきたことは包み隠すことなく話してきた彼らだけど、ツェッペリンのメンバーやるのはもうご免だとまで言い切っていたプラントさんがここまでのパフォーマンスを見せてくれたことに自分は正直に感激したし、なによりメンバー全員が満面の笑みまた笑みで迎える大団円こそが全て物語っていると思う。
 つまりこの『セレブレーション・デイ』には、わたしたちが見たかった、聴きたかった「ウン十年後のツェッペリン」理想型そのものが収められているといっても過言ではないと思うのだ。メンバーも我々観客もこれ以上何を望めばいいんだろ、って感じではないのかな。

 今回の映画のマスコミ会見の場でも再結成の話を振られて、プラントさんが「そんなこと聞くヤツはたわけ者だ」といつものように軽くいなし、過去にはひんぱんに再結成話を口にしてきたペイジさんですら「I don't see it」と答えたという。常にバンドの「預言者」としてメンバーを率いてきたペイジさん。何より自らツェッペリン一番のファンなんだ、とずっと公言してきたペイジさん自身のこの言葉って、やっぱりそういうことなんじゃないだろうか。またしばらく時が経てば変わるのかも知れないけれど、これ以上、上出来の美しい終わりはないんじゃないかな、とわたしも思う。

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 O2ライヴの翌年、BB本に続いて何の因果かJP評伝本に関わることになり、BB本作業中の「移民の歌」三昧も含めれば約1年半ぐらいにわたって、中高校時代から約30年ぶりにひたすらツェッペリンの各々アルバムを連日朝から晩まで聴きまくり、『狂熱のライヴ』と2003年にでた究極の2枚組ライヴDVDをとっかえひっかえ交互に見ていたことも今から思えば懐かしいのだけれど、若かりし乙女な時代には「なんか眠みぃー」と思っていた後期の曲がかなり好きになったりもしたのも(遅すぎだけど)その頃だった。だから本『セレブレーション・デイ』、というかライヴで後期の曲が印象的に選曲されていたのは個人的に嬉しかった。
 自分のリアルタイム・ツェペリン記憶はギリギリ『プレゼンス』『狂熱のライヴ』あたりからなのだけど、まともに聴きだしたのは高校時代にいりびたっていた岩大Rock研のコピーバンドのお兄さん方の影響。盛岡を離れて以降、交流は全く途絶えているけれど、本作を観たあと彼らもどこかでこの上映観てたかなって真っ先に思った。もしかしてあれから何十年たった今でもFbあたりで最高のライヴだった!って書き込んでいることを期待してネットで検索してみたら、もしできることならJP本の時に何度も助けてって心の中で思ってた彼の名前を見つけたのは、去年の震災の行方不明者リスト。しばし呆然としてしまった。でも……同姓同名漢字も一緒、年齢も一緒かもしれないとはいえ、それが本人かどうかは全く分からない。
 それなりに年を重ねた彼がどこかで本作を観ていたか、もしくは今度発売になるDVDなりを見たとしたら絶対感激するだろうと思う。いつか会えることがあったなら、すーっごくかっこよかったよね、って話したい。

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テーマ : 洋楽ロック - ジャンル : 音楽

タグ : レッド・ツェッペリン アルバム 映画

17:23  |  music  |  コメント(0)

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