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2013.09.05 (Thu)

組織のチカラ

 しばらく前に入手していて読みかけになってた『アポロ13号 奇跡の帰還』を久しぶりに手にとって頭っから読んだ。95年にトム・ハンクスが主演した映画の元ネタノンフィクション。映画は飛行船の宇宙飛行士とNASAコントロールルームの緊迫するやり取りほか宇宙飛行士たちの家族など人間模様も描かれて結果は知っているとはいえ、手に汗握りつつ感動作に仕上がっており結構好きな作品ではあったけれど、本書の中ではそういった粉飾的なサイドエピソードみたいな物は一切書かれておらず事故発生から帰還までの4日間のコントロールルームと飛行船のやり取り様子が克明に綴られています。技術系の専門用語なんかもぽんぽん出てくるので一見難しそうな所がないわけではないけれど、読んでるだけできゅーっと緊張感を覚えたり、映画のワンシーンを思い出したりどんどん読めてしまいました。

 本編自体もそんな感じでよくも度重なる悪条件の中で生還できたものだと感心するんだけど、それよりも残ったのが、下訳を担当した人は別にいるようなので、調べながら翻訳をまとめたということなのかもしれないけど、訳者の立花隆が書いている前書きで、「栄光ある失敗」と語り継がれているこのミッションを支えたアメリカの技術的な底力と組織力と若さについて記している部分。この訳書が出た時点(94年)で日本のロケット関係の技術は初の国産ロケットを開発したというところで止まっているとのこだけど、アポロなんかのとうてい足元にも及ばない有人飛行なんて考えられないミニロケットていうのはそれから20年近く経った今も(私が知らないだけかも知れないけど)さほど変わってないように思うし、しょっちゅう発射延期やらなんやらでトラブルの報道を目にするのもあんまし変わってない気が。そういった技術的な側面もだけど、日本が経済大国になって(でもってバブルはじけて不況になって、でもってデフレ脱却ーなんていってる今の世だけど)いくら経済的な力がアメリカを越えたといったって、マネジメント能力に関しては決定的に立ち後れている、という箇所にいたっては…これまたやっぱりというか、震災以降の危機管理能力全般に言えることじゃないかと。
 なんてことを最近の汚染水ネタやらオリンピック招致のニュースチラ見していて、丁度思ったところの読了だったわけでした。

アポロ13号 奇跡の生還 (新潮文庫)

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タグ : 本の話 読書

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