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「硫黄島の星条旗」読了

「硫黄島の星条旗」読了。『父親たちの星条旗』の元になっている原作本です。国旗掲揚に関わったことを世間はおろか家族の誰にも話そうとせず胸の中にしまって逝ってしまった父親の足跡をたどり写真に収まった青年たちのそれぞれの人物像と硫黄島の戦いの実体を知ることで、かつて国の英雄として扱われた父親の沈黙の理由、何がそうさせたのかを息子である著者が記したレポ。驚いたことに著者のジェームズ・ブラッドリーさんは学生時代に日本でしばらく暮らし日本の社会文化に傾倒したことがあるのだそうです。それを国に戻って家族そろって迎えた感謝祭の席でまだ若かった彼は「戦争はアメリカに非があったから始まったんだ」といったような演説をぶったのだそうですが、父親のジョンさんは何も言わずに頷きながらターキーを切り分けてくれたのだとか。お父さんはどんな気持ちだったんでしょう。
たしかに戦場の描写にはところどころむごいものがあります。それはジェームズさんが取材当時ご存命だった兵士の方々に聞いた話なのだから記憶が曖昧になる各々の中で鮮烈なものとして残っていることがらが現実おこったこととどの程度の差があるのかはわからないけれど、訳者あとがきにあるようなことさら強調されているようには思いませんでした。それだけのことを人は犯してのけられるというのはこの大戦だけでなくその昔やらいまだにいろんなところで記録として残っているわけだし。幼い時に戦争を体験した訳者さんが(自分にはそのようにちょっこと感じられたんですが)もしあとがきに残したように小さなモヤモヤを抱えながらこれを訳されていたとしたら、なんとなく複雑な心境になります。文中の南京大虐殺などに見られる注釈は訳者さんがつけたわけではないと思いますけども。
でもこれは戦争の痛ましい様子ではなくて、戦地に放り込まれたごく普通の若者たちがて誰のために戦い、どんな代償を払ったか、それを家族はどんな想いで見つめていたのかということが描かれた本なので、いつの時代も普遍的であるべき感情は残ると思います。
↓こちらは映画化にあたって?新訳された版なのかな

TAG : 読書
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