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ロック少女はどこへいったのか

(旧ブログからの移動プチ改訂記事です)

わが青春のロック黄金狂時代―ビートルズからボン・ジョヴィまで (角川SSC新書 4)

「わが青春のロック黄金狂時代―ビートルズからボン・ジョヴィまで」(…長っ)を読んでみました。

 最近の、というよりブームになって久しい「おやじのロック」とか「オヤジの洋楽」とかレトロロックのムック本や日経やアエラのそのての雑誌を見ていると「おやじの」というタイトルはみかけるけど「おばさんの」ってのはない。まーたしかにおばさんの、といっちゃぬかみそ臭い響きというか語呂が悪いのはあるかも知れないし、それ以前に「おばさんの」と冠されたものを妙齢の女性が購入するかどうかという点においてやっぱり「おじさん/おやじ」とは言葉の感覚的に違うんでしょうけれども。もしくはその昔同様ではないけれど「女なんかにロックが分かってたまかるかあ」的なものが働いているのか、それとも映画業界にはレディースデイがあったりするし(正直言ってこれまた今となっては善し悪しと思うけど)そのたグルメやらサービス業関係の一般社会におけるおばさん優遇、おばさんを呼べればヒットするぞーみたいな風潮に反して「ここの領域だけはおじさんのために死守させて下さい」というちょっとハレヒレホレちっく的状況なのかなあとかグルグル考えたりしたこともあります。ま、どっちでもよいのですが。

 でも、現にその「おば域」に達しようとしてとりあえず踏ん張っているわたくしだってそういうおやじロック系雑誌立ち読みしてないわけじゃないし、元少女のロックねえさんたちだってネット徘徊すればたくさんお見かけしますしー表立ってこそ多くは見えないかもしれないけれど消えてしまったわけじゃないと思うのよね。そのいわゆる“ロック少女たち”というのは、もちろん元男子たちだってリッチーだ、ジミー・ペイジだ、エディ・ヴァン・ヘイレンだ、イングヴェイだーいうように個別ギターヒーローとかリスペクトの対象はあると思うけど、女子の場合はやっぱしクイーンとかジャパンとか(…例えがいかにも過ぎて適切ではないかもですが)こうー、もちろん幅広く追求している方もいるけれどもっと個別に突き詰めたコアなファンというか、個々のツボ・ターゲットに対してお金を落としているむきもあるかと思うので、「オヤジのロック」的にひとくくりでザックリ連れるような感じではないのかもなあと思ったり。

 で、前置き長くなりましたが本書です。著者はわたしもその昔欠かさず読んでいた、ミュージックライフの元編集長の東郷さん。ビートルズで洋楽に目覚めて愛読していたMLの編集部に入り、70年代のロック全盛期と共に情報発信してきた女史の取材秘話が語られているわけなので、その昔にMLの裏話的なコーナーでちょろっと書かれていたようなポール・スタンレーが取材前に電話していた相手がランナウェイズのドラマーのサンディーだったとかマイケル・シェンカーが来日時につき合ってたパムと大げんかしたーなどなど下世話な話題も懐かしくておもしろくないわけがありませんし、軽~く楽しめる1冊です。

 でもさ、それって別にこうしてわざわざ新書で出さなくても雑誌のムックやらそれこそそれ系の雑誌の囲み記事でいい内容じゃないのかなとも思ったのも確か。そういった内容をもちろん期待していなかったわけではなかったけれど、あの当時のロックおにーちゃんおねーちゃんが夢中で読んだMLという音楽雑誌を当事者の方がどんな思いで作ってたのかとか、現在休刊になってる本誌への思い入れみたいなものがもっと読めるのかなあと期待していたので…ね。

 もちろん東郷さんごご自身MLの編集長や会社を辞してから休刊になるまで8年ぐらいの間が開いていたとのことで、その間に音楽そのもののジャンル細分化やら業界事情も様々劇的に変わっていったというのは大きな理由としてあるのかも知れないけれど、休刊の報を受けても「特に感慨もなく」、「MLの果たす役割は全うし尽くした」>とさくっと締めくくられているのはち正直「えー、そんなもんなのですかい?」と半分カックンしたりして。それなりのフォローはあとがきを読めば感じないでもないのだけれども。
 当時から続いてる音楽雑誌はロッキンオンはじめとしてまだまだあるわけですが、(こんなこと言っちゃ相当失礼なんだけど)その中でどうしてMLが休刊になっちゃったのか、なんとなく理由が分からないでもないような気がしたり。個人趣味的な好奇心=等身大目線で作られていたからこそ同じようなミーハー女子(決して悪い意味ばかりではなくてね)やら洋楽大好き夢中っ子たちには身近な取っつきやすい雑誌ではあったけれど、だからこそ作り手・読み手双方の様々な変化によって(たとえば興味の持続のさせ方なんかもあるだろうし)役目を終えて、やっぱりおっしゃるように消える運命にあった雑誌だったのかしら、とも思ったり。
「あの頃のロック少女たちはどこにいったのだろう?」ってもちろんご自分がそんな女子たちを牽引してきた自負があるから言える言葉なのかも知れないけれど、でもまわりを見ればいっぱいいますよー、と小さくつぶやく元少女だったのでした。
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