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『二つの母国に生きて』など

 先週に続いてまた台風の雨風のなか、昨夜からのどんより落ち込み模様を引きずりながらも職場へ。まだまだやること終わらないし。
 あれこれと調べ物しながら明日の編集の準備をするも、さすがにこの雨の中ほかのスタッフは出てきていないので部屋がなかなか暖まらなくてぶるぶる。いつもなら人の気配と機材がフル回転してるおかげですぐにぬくくなるのに、エアコンもしばらく「暖房準備」サインしか付かないので、ひざかけをぐるぐる巻きにして防寒。なんだかワビシイ。そのうちようやくもうひとりスタッフがきてくれたところでなんとなく暖かくなったのは気のせいか。

 台風が海にそれつつスピードアップしてるなんてネットのニュースを見てしばらくしたところで再び1人居残りになってしまったので、明日は電車遅れたら困るから早く出て来ないとなあ、とか、また自分で戸締まりしたら明日の朝は自分で開けに来るんだわ、とさらにドンヨリしたのだけれど、帰る頃には雨もおさまっていた。嵐の週末、もう当分いらないけど来週はいかに。


 ドナルド・キーンさんのエッセイ『二つの母国に生きて』を通勤の合間に読み終わる。80年代の半ばにリーダースダイジェストなどに書かれたエッセイの復刻版、といか文庫版だそう。実を言うとわたし、ずいぶん前までドナルド・キーンさんと黒澤映画の英語字幕をよく手がけてらしたドナルド・リチーさんの区別が付いていなかったような体たらくなのでえらそうなことは全く言えないし言うつもりもない。

 本書ではキーンさんの三島や谷崎といった文豪との交流を通じた日本文学やごく普通の日本の文化への興味のまなざしや造詣の深さであったり、また戦争犯罪の裁きへの所見など内容もとても興味深かったのだけれど、繊細な感受性と丁寧な言葉遣いが気持ちよくて、サイデンステッカーさんやアーサー・ビナードさんのエッセイと同じぐらい繰り返し読みたいなと思った。でも最初のほうは読んでいて少しつらくなった。

 2011年の震災のあと、日本の国籍を取得して祖国アメリカから日本へと移住していらしたキーンさん。「私が日本で多くの時間を過ごしたいのは、ニューヨークにいるときよりも日本にいるときのほうが私自身幸せな気持ちになれるからなのだが」と書いていらっしゃるのだけれど、その80年代の半ば当時、そして2011年以降世の中の空気はけっしてキーンさんが愛してくれたこの国の空気と同じではないような気がしてならない。もしそうだとしたら、祖国を捨ててまでこの国を選んだことを後悔なさってはいないだろうかなどと、なんだか勝手に申し訳なく思ってしまって。いつまでもお元気で、日本での暮らしを幸せに送っていただけたらよいのだけれど。

二つの母国に生きて (朝日文庫)


今日のごはん

朝;ポトフ・トマト風味のリゾット

昼;ツナのコッペパン

夜;サラダ海苔巻き、パンプキンのキッシュ、キャベツ焼き・すべて出来合い

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