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光陰

 昨日、というか先日の日曜とあるイベントに出かけた。
 80年代前半、大学に入ってひとり暮らしを始めたころ、ありがちだけど学校にも真面目に通わず自堕落に過ごしていた。仕送りとバイトで稼いだお金はほとんどレコードやライブ代に消えていた。ライブは今みたいにチケットをオンラインで買うシステムなど存在してなかったので、好きなアーティストの来日が決まったらプレイガイドに発売日の何日も前から並んでチケットをゲットしたものだった。買いに行ったら行ったでそこの売り場を仕切ってるような常連がいてそれはそれでまあいろいろあったけど、そうこうしているうちに列に並んでた同じような趣味の子たちと仲良くなった。そんな友人たちから「今度こういうのがあるから行こうよ」と誘われたのが新宿のクラブというかまあディスコだった。
 「ディスコ」とはいっても80年代のいわゆるジュリアナとかバブリーなボディコンギャルがお立ち台にあがってヒラヒラみたいなのじゃなく、そこの店は曜日によってかかる曲のジャンルが分かれてた。パンクやらニューウェイブやら大貫憲章さんがDJを務める「ロンドンナイト」なんかもあったけど、自分が出かけてたのは日曜日のヘビメタデーだ。
 ヘビメタディスコで踊るって何をするかというと、とりあえず曲にあわせてヘドバン&エアギターが定番。DJブースに向かったフロアにスタンバって轟音のサウンドにあわせ客人が一斉に首を振ったりアクションをかます様というのはまあ壮観だったし、そんな様子を眺めながらあれこれ新しいバンドやらアルバムの話でいろんな子たちと盛り上がるのがすごく楽しかった。毎週日曜の午後から3丁目あたりに繰り出すと街では誰かしら知り合いに行き当たって、18時くらいから本番、閉店後には夜中から始発まで飲み屋で大勢の仲間たちと大騒ぎしたものだった。
 いつしかそのディスコも様変わりし、ヘビメタディスコは場所も名前も変えて不定期のイベント的に行われていたようだったけれど、自分もとりあえずカタギの道を進むにあたりだんだん足が遠のいていった。振り返ってみればと熱心に通っていた期間は3年ほどの間だったけれど、その間にはその後決裂した男も含め多くの大事な友人たちが出来たしたくさんの思い出が詰まっている。
 以降の集いにはほとんど参加したことはなかったけれど、今年に入って当時の友人のひとりが「オヤジのロック」っていうかあの頃をもう一度ブームに乗ったわけじゃないだろけど、自分とこの会社主催でオマージュ的にヘビメタディスコイベントをすると連絡をもらったので、音信不通になってた旧友に会えるかもしれないし行ってみようかなと内心怖いもの見たさで出かけた、というのが長い長い前置き。

  結果として、でかけてよかった。爆音メタルにテンションうらうら上げつつ、もう30年近く会っていなかった友人に再会したりいろんな仲間たちの消息情報を聞いたり身の上話したり、さすがにむち打ち状態が恐ろしくて首ふることはしなかったけど、とても楽しかった。でもね、正直言ってこれあと15年ぐらい早くやってたらよかったのに、とも思った。だってこればっかりはしょうがないんだけれど、相手が誰だか分からないんだもの、特に男たち。その容姿の変貌ぶりたるや、もちろんこっちも他人のことは言えないんだけど、友人の1人が当時の写真を持ってきていたのでそれを手がかりにしてもまじで分からなくて「この人知ってるような気がするんだけど…だれだっけ?」みたいなケース多発。その中で当時とほぼ変わらないスタイルをキープして、そしてなにより当時と全く変わらない仲睦まじい様子で寄り添っていた友人夫婦があまりに感動的でとてもうれしかった。人生いろいろあるけれど、こんなカップルが身近にいてくれてよかったなと。
 盛況ぶりに気をよくした主宰者の友人はどうやらまたイベントを開いてくれるようだけど、その時までに自分ももうちょっとビッとできるようがんばってみようかなと思った次第。とはいえ首はふらないけど。

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