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センチメンタルなランチ

 先日帰省した際、母の買い物に付き合って何度か食事も一緒にしたけれど、とても懐かしい場所にも出かけた。父母が勤めていた県の役所だ。
 小学校の頃は学校帰りの習い事のあと、母の職場に学校の荷物を置いてはぷらぷら建物の中で遊んでいた。一応公的な場所だけど別に怒られもしなかったし。エレベーターに乗って屋上まであがったり、正面入り口にある職員の降板表のランプを勝手にいじって元に戻したり、売店をのぞいては知り合いのおばさんたちにおやつをもらったりなどおもしろ楽しいことばかりだったので、母の同僚のおじさんおばさんに「あらまた来たの」とかいわれながらもどこ吹く風でよく遊びにいっていた。初めて飼った子犬をもらってきたのも事務所の隣にあった床屋さんからだった。
 うろちょろしていると仕事の邪魔になるからとそのうち食券を渡されて食堂に追い払われるのだけど、これがまた渡りに船というかそれが一番のお目当てで出かけていたのはある。喫茶コーナーで出している緑色のソーダにアイスクリームとピンクのサクランボがのっかったソーダフロートが大好きだったのだ。仕事を終えた母がごくたまに「今日はお腹空いたから食べて帰ろう」と簡単なお寿司や中華そばにカレーライスだったり、夜ごはんをうちで食べる時にはホットケーキを半分こして食べさせてもらったときには、天にも昇るほどというのが大げさじゃないくらいすごくうれしかった。親にしてみれば何てことのない社食のメニューだったろうけど、外食なんてめったにすることのなかったわが家において「外でごはんが食べられる」というだけで、当時の自分には一大イベントだったのだから。父母が役所を退職し、というよりそれよりはるか以前に自分が中学校にあがってからは活動のテリトリーもちょっと変わったこともあり親の職場へほとんど出入りすることもなくなったのだけど、それでもごはんやクリームソーダをあの食堂で食べたことにはとても思い出が深い。
 そんな場所に母と一緒にもう思い出せないぐらい何十年かぶりにでかけて、今もあの頃と同じく地下にある食堂に出かけた。今は出入りの業者さんも変わってしまって喫茶メニューは出していないらしくクリームソーダはなかったけれど、母が中華そばで自分はハヤシライスを食べた(カレーは売り切れだったから)。あまりに古すぎる記憶なので元の味までは覚えていないけど、ごくごく普通のハヤシライスでおいしかった。食べてる途中で母が「K(妹)はあまり来なかったけど、あんたはしょっちゅう来てたものね」とぽつんとつぶやき、なんだか泣きそうになってしまった。
 また今度、母と食べに行こうと思う

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